目指すべきは「小さな池の大きな魚」

では、キャズムを乗り越えるためには、どのような手立てがあるのか。ムーアはこれをマーケティング学者セオドア・レビットの「ホールプロダクト」という概念を用いて説明している。ホールプロダクトとは、顧客が目的を達成するために必要な一連の製品やサービスである。

例えばPCをワープロとして使いたい人はPC本体を購入しただけでは不十分で、モニターや文書作成ソフトが揃ってはじめて目的を達成できる。

(構成=宮内 健)