「私たちの投票行動が、私たちの生活を変える」
衛藤議員らは、6月30日の総務会で定年制廃止を提案する予定だったが、小林青年局長らが党内で集めた定年制維持を求める署名が100名を超えたこともあり、結局、提案を見送った。いったんは、定年制維持で決着したとみられているが、この話は解散の観測が出るたびにまた蒸し返されるだろう。
前回(2017年)は、当時の青年局長であった鈴木馨祐議員(現外務副大臣)が定年制を堅持するよう、当時の選対委員長に申し入れている。そして、再び2020年に同じ議論が繰り返されているのだ。この話はだいたい都知事選のまっただ中やコロナ禍で課題が山積しているような火事場で蒸し返されるという特徴もある。
私がこの研究から得られる知見として重要だと思うことを繰り返し、述べたい。「私たちの投票行動は、社会保障の資源配分に影響し、私たちの生活を変える」ということだ。
自民党の「定年制廃止」に関する議論をひとごとととらえるべきではないし、定年制廃止が「当然」行われるべきこととは到底言えない。今後も、この議論を引き続き注視していくことが必要だろう。