なぜサッカー三昧で難関大に現役合格ができたのか

みどりさんの話で感心したのは、「子どもが生まれた瞬間」から教育費を積み立て始めたこと。また、ある程度の学力のある大学進学を前提に、逆算して、教育方針を決めていたことである。

この2つを実行している家庭は少なくないが、後者の教育方針については、子どもの学力や環境によって変化することもある。それが、みどりさんの場合、全くブレないのだ。

おそらく、普通の親ならば、私立中学受験を目指して塾に通っていて、しかも、子どもにある程度の学力があるのなら、もったいなくて直前で辞めることはできないだろう。だが、みどりさんはあくまでも将来の選択肢を狭めることがないようにと子どもと対話しながら、彼らの意思や希望を最大限尊重したのだ。

実際、2人とも県内のトップ進学校に進学。部活でサッカーも続けて、塾には行かず、高3の時に、通信教育や予備校の集中講座を受ける程度で、通塾料やサッカーの遠征費などで、一人につき年間それなりの費用がかかっていた中学校のときに比べると、ほとんどお金はかからなかったという。

そしてそのまま現役で、長男は地元の国立大学医学部、次男は東大に進学した。いずれも国立大学のため、授業料は年間約60万円。長男は6年間だったので360万円かかっているが、私立大学医学部と比べると、一桁違う安さである。何とも親孝行な兄弟だ。

東京大学 赤門
写真=iStock.com/ranmaru_
※写真はイメージです

「ウチの子育てが“低コスト・高パフォーマンス”と言えるかどうかはわかりません。小中では、塾やサッカーの費用など、結構な額がかかりましたからね。それに、私個人のことを言えば、子育てに専念するため教員を辞めたことも大きいです。自ら望んでしたことですが、得られたはずの収入を考えると、経済的な機会損失はそれなりの額になると思います」

結局、教育費の多い少ないより、子ども本人の自覚次第

子育ては、良い大学、良い会社に就職することがゴールではない。

以前は、高学歴を得られれば、就職も安泰。「幸せな人生」が約束されるようなところがあったが、今はそうとは限らない。学歴が不要になったわけでなく、学歴だけでは通用しないという社会になっているのだろう。その分、親も子どもに求めるものがより幅広く、多岐にわたっている。

唯一無二の「正しい子育て法」はない。教育費が多ければいいわけでもないし、少ないからダメということもない。親ができるのは、それぞれの家庭で教育方針を立て、わが子を精神的・経済的に自立した社会人に育て上げること。コロナ禍で子どもがどんな学歴を手に入れられるかどうかは、親が教育費にどれだけかけるかより、子ども本人の自覚の問題が大きいのかもしれない。

▼編集部おすすめの関連記事
「わが子の教育費最優先」で老後資金を作れず、結局、子供の世話になる親の共通点