わが子を本好きに育てるにはどうすればいいのか。小児科医の松永正訓さんは「親ができる最良の手助けは、子供が自ら本に出会う機会をつくること。まずは親が子供に背中を見せることだ」という——。

※本稿は、松永正訓『オンリーワンの花を咲かせる子育て』(文藝春秋)の一部を再編集したものです。

読み聞かせは乳幼児にとって質の高い娯楽

みなさんは絵本の読み聞かせはやっていますか? お母さんたちの話を聞いてみると、生後3~4カ月でおよそ半数の家庭でお子さんに読み聞かせをしているようです。

松永正訓『オンリーワンの花を咲かせる子育て』(文藝春秋)
松永正訓の最新刊『オンリーワンの花を咲かせる子育て』(文藝春秋)

読み聞かせは親と子の最良のコミュニケーションです。生後3カ月になっていれば、赤ちゃんは音に反応し、色彩にも反応します。たくさんの心地よさを与えて赤ちゃんにとっていい時間をつくってください。

そして、読み聞かせによって赤ちゃんに生活のリズムをつくることができます。眠る前に必ず読み聞かせをすれば、そこが子どもにとっての睡眠に入るルーティンになります。毎日決まった時刻に読み聞かせるのもいい方法でしょう。

絵本の読み聞かせは赤ちゃんのときだけでなく、1歳になっても、2歳になっても、保育園・幼稚園に行くようになっても、もっとも質の高い娯楽です。

お父さん、お母さんの声が心地よく聞こえてくる。きれいな絵に目を瞠り、物語に没頭し、ページをめくるのももどかしい。子どもにとってこんな楽しい時間はありません。