台湾がようやく抜け出した暗闇に香港は踏み入れた

〈かつて台湾を襲った白色テロの時代には、学生が大学構内に踏み込んだ軍や警官に拘束され、自由を奪われました。これはわれわれにとって悲痛な記憶であり、二度と繰り返してはなりません。

昨夜の香港では、警官隊が大学構内に突入し、デモの学生たちを鎮圧しました。闇夜に包まれたキャンパスに炎が上がり、催涙弾が飛び交いました。台湾がようやく抜け出した暗闇に、香港は足を踏み入れてしまいました。

北京当局の機嫌を取るために、香港の若者たちを犠牲に

警察は人々を守るため、政府は人々に奉仕するために存在します。警察が人々を守らなくなり、政府が人々のためにという考えをやめた時、必ずや人々からの信頼を失うでしょう。

私は沈痛な気持ちで、ここで踏みとどまるよう香港政府に呼びかけます。人々の心の声に、暴力で応えるべきではありません。北京当局の機嫌を取るために、香港の若者たちを犠牲にするべきではありません。香港の自由と法治が、権威主義によってむしばまれています。権威主義の膨張に抵抗し、その最前線にいる台湾は、国際社会に呼び掛けます。自由と民主主義を信じる皆さん、共に立ち上がり、混乱する香港の情勢に関心を寄せましょう。〉

こうした歴史の共有が行われるのもひとえに「中国の圧政」という体験があってこそであり、言うなれば香港の台湾の関係は、かつて台湾が通った道を、香港が逆走しつつある、ともいえるのだ。