大混乱した教育現場、子どもは困惑

新型コロナウイルスによる突然の休校発表から、約3カ月が経過した5月末のある日、ようやく始まった小学校の“オンライン指導”2回目にして、一人の男子(小2)が発言した。

「教えてくれないと、勉強わかりません!」

宿題に疲れてテーブルに突っ伏した少年
写真=iStock.com/ridvan_celik
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コロナ禍が収まりきらない日本で、公立校に通う子どもたちの多くが教育の機会を逸している。たしかに2月末に政府から出された休校要請は、あまりに唐突すぎた。先生方にとっても寝耳に水で、現場は大混乱に陥っただろうとお察しする。

しかし、あれから3カ月も過ぎてなお、子どもたちの学びの質を保障できていないのは、どういうわけなのだろう。ほとんどの公立学校でオンライン授業は進まず、大量の紙のドリルを渡されるだけ。ピカピカの小学1年生は、いまだまともな授業を受けたことがないこもおり、受験生は不安な思いを抱えている。

一国の公的教育機関がこれほどの長期間、思考停止でまひしたままというのは、どう考えても異常事態だ。学校再開後も分散登校、短縮授業が続き、今後も第2波、第3波がくれば、いつでもまた休校を余儀なくされるはずだ。そのたびに学校は〈授業〉を停止し続けるのだろうか。