日本の医療には、致命的に弱い分野がある
日本の医療には、致命的に弱い分野がある。生殖器の摘出や形成をする性別適合手術だ。自身の性別に違和感を抱く人が時に必要とする手術だが、日本では高額な医療費がかかり、医師が少なく手術まで1年は待たされる。そんな苦境に立たされた当事者の需要をキャッチして外国での手術を仲介しているのが「アテンド業」──本書では「性転師」と呼ばれる──の人々だ。
共同通信社の記者で、著者の伊藤元輝氏は「エージェント契約を結んだタイの病院に、日本人患者を送り込むアテンド業者を、手術の機会をくれる天使と捉える当事者もいれば、性同一性障害を食い物にする悪魔のように捉える人もいます。ただ、この約20年間において『手術難民』になった患者を救ったのは確か」と評価する。
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