コロナショックで株式市場は動揺している。いまどんな姿勢で投資に向き合うべきなのか。オンライン金融スクール「GFS」校長の市川雄一郎氏は「世界一の株式投資家ウォーレン・バフェット氏の義理の娘であるメアリー氏は『株式投資では企業を愛してはいけない』という。これが大原則になる」という――。(第3回/全3回)
ティファニーに行く赤いドレスを着た女性がジュネーブに格納します
写真=iStock.com/RomanBabakin
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年利20%の利益を上げる凄腕メアリー

世界的な投資の賢人からの教えをお伝えするシリーズ。最終回の今回は、メアリー・バフェット氏が私達に教えてくれたことだ。

メアリー氏は1981年から1993年までの12年間、あの世界一の株式投資家ウォーレン・バフェット氏の長男ピーター・バフェット氏と結婚をしており、その間、ウォーレン・バフェット氏から株式投資について指南を受けた。彼女自身の株式投資のリターンは、平均して年利20%以上で、メアリー氏が書いた投資本はとても人気がある。

今回の話は、去年9月に私が校長をするオンライン金融スクール「GFS」でメアリー氏が講義をしてくれた内容の一部だ。コロナ相場で皆さんが投資に関心を持っているいまこそ、普遍的な投資の話をお伝えしたい。コロナ相場が収束しても皆さんが投資で利益を出し続けることが私の願いだからだ。

まずメアリー氏が日本の投資家の皆さんへメッセージを書いてくれたので紹介しよう。

“Its easier to stay out of trouble than to get out of trouble.”(トラブルを解決するよりも、トラブルを回避するほうが簡単だ)

とにかく投資においてはトラブルには巻き込まれないようによく勉強をして、トラブルを事前に回避することが大事だ。コロナ相場で安易に投資をスタートしてしまって、トラブルに巻き込まれないようにして欲しい。

メアリー・バフェット氏。Global Financial School(https://gfs-official.com/)のオンライン講義の様子
メアリー・バフェット氏。Global Financial Schoolのオンライン講義の様子

「株式投資では企業を愛してはいけない」

そして、そんなコロナ相場の今だからこそ知ってほしい、こんな言葉を紹介しよう。

“Warren said, “No, no, you cannot love a company, you cannot have any emotion at all about a company. you cannot have any emotion at all ab out a company.  You have to purge yourself of all emotion and look at the company from a business perspective, business perspective, investing.”(ウォーレン・バフェットは“ダメダメ”と言ったのです。“企業を愛してはいけない。企業に対してどんな感情も持ってはいけない。全ての感情を排除しビジネスと投資の観点から企業を見なければいけない”と)

これはメアリー氏らが参加するカリフォルニアのラグナビーチでの家族のクリスマス会でのウォーレン・バフェット氏の一言だ。

クリスマス会でウォーレン・バフェット氏は、家族のみんなに「ティファニーの株を買おうかどうか考えているんだけど……」と言ったそうだ。すると女性陣は「ティファニー大好き!」と言ったそうだ。それに対しウォーレン・バフェット氏が言った言葉が上述のものだ(結局ウォーレン・バフェット氏はティファニー株を買わなかった)。

これは皆さんも頭ではなんとなく分かっているかもしれないが、実際はかなり難しい。今、コロナ相場で企業の株式を買う時、そこに感情は混じっていないだろうか? よく確認をして欲しい。