株式市場は変動幅が大きい。今回のコロナショックでそれを痛感した人も多いだろう。オンライン金融スクール「GFS」校長の市川雄一郎氏は「それでも長期には株式投資が最も報われる。これを理論的に証明したジェレミー・シーゲル氏は『米国株投資を続けたほうがいい』という。いま投資をやめてはいけない」という――。(第2回/全3回)
「人々の努力」を反映する株式市場
「長期には株式投資が最も報われる」。米ペンシルベニア大学経営大学院のジェレミー・シーゲル教授は、これを証明し、インデックス派の理論的支柱として活躍してきた。彼は200年以上にわたる米国株の長期リターンを研究した結果、株式の長期投資がもっとも儲かることを明らかにした。
本稿では、私が校長をするオンライン金融スクール「GFS」で、シーゲル教授が講義した投資の本質について皆さんに紹介したい。シーゲル教授の講義収録は昨年9月で、コロナショック以前のものだ。しかしその内容は、いまだけでなく、5年後でも10年後でも通じる内容だ。コロナ相場で投資に関心を持つ人が多い今こそ、普遍的な投資の知識を皆さんにお伝えしたい。
さて、まず彼に日本の投資家へのメッセージを紙に書いてもらった。
“Stock represents the capital which is the source of all our growth,and all of our well-being.”(株式は、私たちすべての成長とすべての幸福の源となる資本である)
これは彼が普段から「債券よりも不動産よりも金よりも現金よりも、株式投資が最も利益が出る」と言っていることの理由を示している。人々が明日をよくしようと努力する限り、それは企業活動にとってプラスとなり、そのプラスは企業の利益を生み出し、その利益は株価を押し上げるということだ。
債券や金や不動産では、この人々の夢や希望を追うための努力が価格に反映されるということは少ない。資本主義社会において、株式会社とは人々の努力を反映する仕組みなのだ。