過去200年の米国株の平均利回りは6.7%

実際に、株式投資はどのくらい儲かるのか。

“$1 put in US stocks in 1802 is almost $1.5 million today.”(1802年に米国株に1ドル(110円)を投資していれば現在約150万ドル(1億6500万円)になっています)

これはつまり217年間で米国株は平均6.7%の上昇率であることを示している。さらに言えば、この数字はインフレによる上昇は既に除去しているため、実質利回りとなっている。ちなみにこの間の米国のインフレは平均して1.4%であったため、名目の株価成長率は8.1%である。

彼は続ける。

“In US government bonds, less than $2000 today. In gold, $3.42.”(米国長期債なら現在は2000ドル(22万円)弱、金に至っては3ドル42セント(376円))

国債と金の場合の実質利回りは、年間平均でそれぞれ3.5%と0.6%であった。株式投資と比較してあきらかに低利回りなのだ。

コロナ相場の今、何に投資をしようかと悩む人も多いだろう。投資に興味をもち、安心感がある債券に投資をしようとする人も多いだろう。金が高値を更新しているため、金に投資をしようとする人も多いだろう。あるいは、日本の銀行や証券会社からさまざまな投資信託を勧められることもあるだろう。そんな時、このシーゲル教授の揺るぎない長期リターンの研究結果が1つの参考になるのではないか。米国株という投資対象をどうするか悩む時に、背中を押してくれることだろう。

そもそも米国の株式市場は特殊なのだ。他の国とは事情が異なる。FacebookもAmazonもGoogleもNetflixもAppleも、中国など一部を除き、世界中で愛されている。世界が成長すれば米国企業の売上と利益があがり、それが株価上昇の要因となっているのだ。

世界一の株式投資家であるウォーレン・バフェット氏は2017年にこのように株主へ説明した。

「240年前から米国は人々の創意工夫、市場制度、才能豊かで野心的な移民と法の支配が豊かさをもたらしてきた。過去何度も言ってきたが、この先もこう言うだろう。今日米国で生まれた子供は、歴史上でもっとも幸運だ」

シーゲル教授もこの言葉に賛同するという。シーゲル教授の言葉はこうだ。「アメリカは高齢化しているが、インドなどの途上国の成長が、アメリカの成長を助ける」

※1ドル110円換算、2019年9月時点、以下同様。