国の支援を待っている場合じゃない

安倍総理が記者会見で官僚の書いた原稿を読み上げた「無利子・無担保融資」を待っている場合ではないのである。あの政策が本当に即実行されるかどうかどうかはわからない。政府発表ということでニュースにはなったが、現場の銀行員からすると「聞いてないよ」という話になるからだ。そこで、タイムアップになったら、誰が責任をとるのか。

30万円支給と10万円支給でさえ二転三転し、支給時期も曖昧で5月末~6月の支給になったら、どこが緊急対策だと言いたくなる。

現に4月に入って中小企業支援の融資を受けようと四国の小企業が申し込んだところ、保証協会の利息は国の負担、銀行金利は自治体負担になると隣の市では決まったが、まだウチの市では方針を検討中だから待ってくれと、追い返されてしまった。

その会社も当面困るわけではないし、安心のために依頼したのであるから、私との電話でも悲壮感は全くなく政府と金融機関の悪口を言って終わったのである。その時に、いくら必要かという話になったが、そのメドはコロナ騒動の終息がいつかと関わる。それは私にもわからない。これは神様の領域である。

最低6カ月分の人件費があれば安心だ

一つ言えることは、最低でも6カ月分の人件費が手元にあると、社長にとっては安心だと思う。もちろん売掛金は入ってくるが、買掛金は払わないといけない。売掛金と買掛金のバランスは、売掛金がちょっと多いのが普通の状態である。緊急時には土地、不動産は資金化に時間がかかるし足元を見られるのであまりあてにならない。

生産が止まったり来客が途絶えても、手元から一番出ていくのは人件費である。次に地代家賃であり銀行返済である。人件費は待ったなしで出ていくため、できたら最低6カ月分は手元にあると社長の時間が確保できる。この余裕があると、何よりも社長が全社員の前で、「大丈夫。手元にお金があるから大丈夫。安心して仕事をしてくれ」と言えることだ。この社長からの一言がとても大切である。