危機感を募らせる習近平
習近平は、中国共産党のトップとして表舞台に登場した時から、人々の党に対する信頼の低下に危機感を滲ませていた。
2012年11月15日、習は、新総書記として初めての記者会見に臨んだ。海外メディアも詰めかけ、世界の注目を浴びる中で、習は自らの執政の大きな特徴となる反腐敗への決意を示した。
「党内には早急な解決が待たれる多くの問題が存在している。特に一部党員幹部の中にある、汚職・腐敗、大衆からの遊離、形式主義、官僚主義などの問題は、必ずや気力を振り絞って、解決しなければならない」
中国の庶民と話して驚くのは、共産党を悪く言う人がとても多いという事実である。国の幹部や官僚が私腹を肥やしているのに、自分たち庶民の生活は苦しいという愚痴は、天気の話題と同じくらい気軽に交わされる感覚である。
権力者が腐敗しているという認識は、世間話レベルで言うならば、タブーではなく常識である。