フォームよければ肩は壊さぬ

2019年11月、高野連は投手の投球数を制限するルールを採用する方針を固めた。今春の選抜高等学校野球大会以降すべての公式戦に導入されるこのルールは、投手1人につき1週間で500球を超えて投球することを認めないとするものだ。この方針の背景には球数を制限しなければ投手の肘や肩を守れないほどに根強い勝利至上主義があった。一方で、野球評論家で名監督としても知られる野村克也氏は「ナンセンスだ」と切り捨てる──。*インタビューは2020年1月下旬に実施したものです。

この春の甲子園から球数制限が導入されるんだってね。1週間で500球までだと。まったく、どこから出てきた数字か知らないけど納得いかないね。そもそも、投手によって投げられる球数には個人差があるじゃないか。肩の強さだとか、才能のあるなしだとか。

もうカネさんの後継者は生まれないでしょう。
もうカネさんの後継者は生まれないでしょう。

それに、正しいフォームで投げてさえいれば、投手もそんなに疲れないものだと思うんだがな。というか、フォームさえ完璧なら投手は肩を壊さないとオレは思っている。稲尾(和久、歴代最多勝記録タイのシーズン42勝達成)、杉浦(忠、投手5冠達成)は最たる例。稲尾なんかの投げ方見てると、もう毎日でもOKという投げ方だね。

カネさん(金田正一)もすごい球を投げてたよね。練習量はすごかったなぁ、特に走り込みの量が。カネさんの通算400勝はもちろん未到記録。破る人は誰もいないんだよ。