「商品企画書」をまとめる作業を考えてみましょう。1時間なり2時間なり、まとまった時間を取って行ったほうがいいように思えます。でも、「企画書に盛り込む大枠のアイデアを練るタスク」「次に企画書の構成を考えて目次案を作成するタスク」「商品のネーミングや規格など項目ごとの詳細を詰めていくタスク」などに細分化できます。後は各々のタスクをスキマ時間に配分し、実行していけばいいのです。このタスクの細分化はスキマ時間の活用の重要なポイントであり、その細分化に当たっては仕事の全体像や内容をよく理解しておく必要があります。

また、タスクを細分化していく際には、15分で完結する仕事に振り分けていくことをお勧めしています。15分単位ならスキマ時間に当てはめやすいうえに、かなりの仕事量をこなせるからです。実際にやってみるとわかりますが、15分のタスクはとても能率がいいのです。終了する時間が決まっているので、集中力がアップするからです。もしも「移動する際のスキマ時間は15分もない」といったケースであれば、5分単位の仕事を割り振ればいいわけで、このへんは柔軟に考えていきます。

そして、集中しながら15分のタスクをこなす際にお勧めしたいのが「カウントダウンタイマー」の利用です。これは、後何分で茹で上がり時間かを教えてくれるキッチンタイマーの卓上版のようなデジタル時計です。仕事開始とともに、15分後にアラーム音が鳴るようにセットして、アラーム音が鳴るまで意識を仕事に集中させます。私自身も実際に使って、その効果を実感しています。

スマートフォンにもタイマー機能がついていますが、電話やメールで着信音が鳴ったりするので気が散りやすく、あまりお勧めできません。オフィスの自分のデスクでカウントダウンタイマーを利用するのなら、アラーム音の代わりに光で教えてくれるものを選ぶと、周りの人の迷惑になりません。

スケジュールを見てスキマ時間を洗い出す

スキマ時間の活用については、「電車では座れないこともあるし、バスやタクシーを待つときも立ちっ放しなので、仕事ができないのではないか」といった疑問もあるでしょう。そうした場合には、スキマ時間のシチュエーションに応じて、タスクの中身も変えればいいのです。確かに、手を使った仕事はできませんが、頭を使った仕事はできるので、プランづくりなどの時間に充てるわけです。

そして、スキマ時間をフルに活用していくためには、その日1日の詳しいスケジュールを確認しておきます。どの時間帯に、どのくらいのスキマ時間があるのか、さらに「移動時間なので手作業が困難」「自分のデスクでの待ち時間なのでパソコンの操作も可能」といったように、スキマ時間の性質も併せて把握しておくとより効果的です。そうすれば、各々のスキマ時間に、最適なタスクを割り振ることができるからです。