“インスタ映え”世代にとって、食はエンタメ

ミレニアル・Z世代は「フーディ」と呼ばれる世代でもある。

「フーディ」とこれまでの「グルメ」との違いは、食べ物をただの美食の対象として捉えていないことだ。Z世代にとって、食はエンタメであり大切なコミュニケーション・ツールである。さらに何を食べるかという選択は、健康や地球環境など彼らの価値観やライフスタイルの重要な部分を占めているのだ。

一時フード・ポルノという言葉が話題になったが、とにかくインスタ映えする食べ物が次々にトレンドになっている。

かつてハイブリッド・デザートと呼ばれたクロナッツ(クロワッサンとドーナツを合わせたスイーツ)や、色鮮やかなレインボー・フードなどもその代表だ。食はこの世代にとって、食べる楽しみはもちろん、ソーシャルメディアで共有してみんなで楽しめる、一石二鳥でコスパのいいエンタメなのである。

だから彼らの食べ物へのこだわりは強い。Z世代に至ってはお小遣いの8割近くを食べ物に費やしているという数字があるほどだ。

そしてインスタ映えを考えた時、食事より手軽で値段も安く、コンパクトではっきりした特色が打ち出せるスナックやデザートが注目されるのは当然の流れと言っていい。

©TAIYAKI NYC
アメリカで売られているたい焼き。現地ではあんよりもクリーム入りが人気だという

1週間に1度はスナックで食事を済ませてしまう

アメリカのドラッグストアやデリに行くと、グラノーラとナッツ、フルーツで作られたおびただしい種類のスナックバーが並んでいる。シェアオフィス大手「ウィーワーク」のキッチンは無料でいつでも食べてOKのスナックの宝庫だ。

これらのスナックバーは、プロテインなどで栄養をプラスしているものが多い。若い彼らはこれを食事と食事の間や、ジムでのワークアウトの前後にエネルギー補給として食べたり、食事がわりにすることもある。

このように空腹を満たすだけでなく、仕事中に気分を上げるため、頑張った自分へのご褒美のため、という意味ではスナックの人気は高まるばかりだ。

実際、ミレニアル世代の6割が3度の食事よりスナックが好きと答えている。また別の調査では9割以上が少なくとも週に1度は食事代わりにスナックで済ませ、それが週4回になるという人も5割いる。Z世代になるとそれがさらにエスカレートしているという。

いったいなぜなのだろう?