日本人の「花離れ」が進んでいる。この20年で1世帯あたりの切り花の購入金額は3割も減った。どうすれば市場を回復できるのか。街の生花店と組んだ新規事業「花のサブスク(定期便)」の現状を取材した——。

「切り花」がどんどん売れなくなっている

農林水産省が2019年4月に発表した「花きの現状について」によると、1世帯あたりの切り花の年間購入金額は、1997年の1万3130円から下落を続け、2017年には8757円となった。この20年で3割も減った計算になる。

そんななか、20〜40代の女性を中心に、着実に会員数を伸ばしている花の定期便がある。クランチスタイルが展開するサブスクリプションサービス「ブルーミーライフ」だ。サービスに加入すると、全国に100店舗以上存在する提携先の生花店から季節の花がポストに届く。

コースは3種類。500円で3本以上の花が届く体験プラン、800円で4本以上の花が届くレギュラープラン、1200円で5本以上の花が届くプレミアムプランが用意されている(すべて送料・税別)。ユーザーは「毎週郵送」「隔週郵送」のどちらかを選ぶことができ、さまざまな生花店がセレクトした花束を楽しむことができる。

画像提供=クランチスタイル
専用の箱に入って花が届く(※画像は「体験プラン」のもの)

2017年3月の発表で3000人だった会員数は、2019年12月の発表では2万人を突破した。クランチスタイル広報の冨松愛子氏は、「プロが選んだ花が自宅に届き、そのまま飾るだけで様になるという手軽さが、家事や仕事に忙しい女性たちの心をつかんだのではないか」という。

だが、先述の通り、切り花の購入金額は減少を続けており、花の業界は先が見えない状況にある。そんななか、なぜクランチスタイルは花を扱う事業を立ち上げたのか。武井亮太社長に話を聞いた。