廃棄する花が減り、安定的な収入が得られる

クランチスタイル創業後、武井社長が最初に手掛けたのはかつて自分が受け取ったギフト用の花束だった。インターネットを通じて生花店にオーダーできるシステムを構築したが、花束の購入者自体が少なく、売り上げは鳴かず飛ばず。予想を大きく下回り、1年半でサービスを終了した。

「花束の購入者に、なぜ買わないのかヒアリング調査を行ったところ、『花そのものの価格が高い』『花のある生活を送っていないためプレゼントの選択肢に入りにくい』という声があがりました。それならば、日常的に花を買う人を増やそうと考え、『ブルーミーライフ』を考案しました。低価格で毎週花が届くというサブスクリプションサービスは、お客さまの声から生まれたのです」(武井社長)

さらにこのサービスは、生花店側の課題解決にもつながっている。提携先の生花店には、毎週1回、その週に花を送るべき顧客のリストが届く。生花店は花束を作り、郵送まで行う。店頭販売と比べると利益率は低いが、次のような3つのメリットがある。

(1)廃棄を減らせる

クランチスタイルから毎週届くリストに合わせて、週に2〜3回の仕入れのタイミングで必要な本数だけ花を入荷できる。リスト到着後にキャンセルが発生することはないため、ブルーミーライフ用に購入した花にはロスがない。

(2)毎月の収入が安定する

サブスクリプションサービスは、顧客が退会するまで続く。そのため季節による変動が少なく、年間を通して安定的な収入が得られる。なお、提携する際の契約料はかからない。

(3)店舗の認知度が上がる

「ブルーミーライフ」の公式インスタグラムのフォロワー数は、約8万5000人以上だ。届いた花束が紹介されることもあり、商圏外の人にも作品を見てもらえるため、マーケティング効果が見込める。また、コメント欄やクランチスタイルからの報告によって顧客の声も届く。