「規制」は中国政府の体質そのもの
各紙はどう書いているか。1月18日付の産経新聞の社説(主張)は「新型肺炎 中国は正確な情報開示を」との見出しを掲げ、こう指摘する。
「今回、中国外務省は世界保健機関(WHO)や関係国に積極的に情報を提供しているというが、額面通りに受け取れない。中国では近年、市民のパニックや当局への反発を押さえ込むため事件、事故や災害報道を規制する傾向が強まっているのも懸念材料だ」
「額面通りに受け取れない」とは中国嫌いの産経社説らしい批判だが、沙鴎一歩もその通りだと思う。中国は報道に対する規制も強い。「規制」は中国政府の体質そのものであると思われる。
「今月下旬には旧正月を祝う春節で、中国国内外で人の往来が活発となる。今夏には、オリンピック・パラリンピックを控える。適切な対応策を講じるためにも、正確な情報は欠かせない」
「春節」(旧正月)は1月24日からだ。その前後を含めた長い連休中、延べ人数で30億人が移動するといわれる。感染拡大のリスクが高まる。それだけに中国政府は各国と協力して感染の拡大防止に努める義務がある。
「感染症を水際で100%食い止めることはできない」
1月18日付の毎日新聞の社説も「新型肺炎国内で確認 春節の大移動期に注意を」との見出しで「春節の大移動期」を懸念し、次のように訴える。
「特に1月下旬の春節(旧正月)の大型連休中には中国からの観光客の増加が見込まれ、感染者が訪日する可能性を念頭に置く必要がある。もちろん、武漢を訪問した日本人観光客が感染して帰国するケースもあるだろう。空港などでの検疫体制には念を入れたい」
日本がとれる対策としては、検疫を充実させ、水際でウイルスの侵入を食い止めることである。
「ただ、海外から入ってくる感染症を水際で100%食い止めることはできない。医療機関は新型肺炎の患者が受診する可能性を考えて事前に備えてほしい」