社会のインフラを担う企業は、その時間軸が長い。東京ガスにもまして、気の遠くなるようなプロジェクトを遂行しているのが、東海旅客鉄道(JR東海)である。同社が建設を計画しているリニア中央新幹線は、2027年に東京-名古屋間、45年に名古屋-大阪間の開業を目指している。4月に社長に就任した山田佳臣も、完成形を見ることはあるまい。まさに、企業100年の計だ。

<strong>JR東海社長 山田佳臣</strong>●1949年1月7日、東京都生まれ。71年7月、日本国有鉄道入社。87年4月、JR東海入社。99年、常務。2002年、専務。04年6月、副社長。10年4月、現職。
JR東海社長 山田佳臣●1949年1月7日、東京都生まれ。71年7月、日本国有鉄道入社。87年4月、JR東海入社。99年、常務。2002年、専務。04年6月、副社長。10年4月、現職。

建設費は総額で約9兆円、長期債務残高は最大で5兆円まで膨らむと見込まれる。年間4000億円以上の営業キャッシュフローを稼ぎ出す同社でも、その負担は重い。山田は、「恐ろしいですよ。はっきりいって恐ろしい」と率直に話す。