マルハニチロホールディングス社長の久代敏男は人情家であるに違いない。いや、人情家にならざるをえなかったのかもしれない。

<strong>マルハニチロHD社長 久代敏男</strong>●1947年9月3日、島根県生まれ。71年中大法卒業、大洋漁業入社。93年、マルハ人事部副部長。2002年、人事部長。06年、常務。08年、専務。09年、副社長。10年、現職。
マルハニチロHD社長 久代敏男●1947年9月3日、島根県生まれ。71年中大法卒業、大洋漁業入社。93年、マルハ人事部副部長。2002年、人事部長。06年、常務。08年、専務。09年、副社長。10年、現職。

久代は1971年に、マルハニチロの前身である大洋漁業に入社した。大洋漁業はその後マルハに社名を変え、2007年に、ニチロと経営統合を果たした。

久代は入社後すぐに人事部に配属され、その後ほぼ一貫して人事畑を歩いてきた。大洋漁業の看板である水産部門の経験はない。久代が入社したころの大洋漁業は、世界の海をまたにかける大船団を有していた。「会社に入ると、社員手帳を渡されるんですよ、4月1日に。手帳の後ろに、当時、太陽漁業が持っていた船舶の一覧表が、だーっと何ページにもわたって掲載されていた。捕鯨の母船からはじまって、北洋のトロール船まで。それを見たとき、やっぱり世界一の漁業会社に入ったんだなあって、再認識しました」。