日本の主権者としてゴーン氏の国外逃亡は容認できない

ここは誤解のないように言わないといけないが、僕は日本の刑事司法制度に不満なところは多々あるが、最後は日本の刑事司法制度に従う。日本国民として主権を有するので、日本政府が有する主権の行使に服する。主権とは権限だけではなく責任も負うものだ。ただし、現在の刑事司法制度に不平不満があるならその制度の中で、徹底的に争っていく。その制度を抜本的に変えたいと思えば、政治活動で変えていく。

先ほども述べたように、自分が暮らす日本という国家を成立させるためには、日本国内に存在する人々は、日本人であろうと外国人であろうと、日本の主権に服してもらわなければ困るという持論だ。

だから、ゴーン氏の国外逃亡は容認できない。日本の主権者として、ゴーン氏に日本の刑事司法制度に従わせることを望む。

しかし、ゴーン氏が日本という国家に対して個人として勝負を挑み、それをやってのけた勝者であることも認める。武力は用いていないが、国家の主権の行使を否定した点では戦争と同じだ。戦争は勝った者が正義となる。そうなると今のところの正義はゴーン氏にあるということになる。悔しいが。

だから、日本政府はあの手この手を尽くして、ゴーン氏とのこの戦争に勝たなければならない。武力を用いるのではなく、外交を用いて勝ちにいかなければならない。

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世界を見渡せば、こんなことはしょっちゅうある。アメリカの国家機密をインターネットに流した元アメリカ国家安全保障局職員のエドワード・スノーデン氏をアメリカ政府は捕まえようとしたら、スノーデン氏は国外に逃げた。今はロシアにいるらしいが、ロシア政府はスノーデン氏をアメリカには引き渡さない。

トルコのエルドアン大統領が2016年のクーデターの首謀者と目している在米イスラム教指導者フェトフッラー・ギュレン師を、エルドアン大統領は引き渡すようにアメリカに求めているが、アメリカは応じない。

中国の通信機器最大手の華為(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)はカナダに拘束されているが、中国が強烈に中国への引き渡しを求めている。

日本の踏ん張りどころだ。

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