「逮捕即有罪」という印象を視聴者に与えてしまう

特に今回は、捜査当局からメディアに対して、沢尻の逮捕情報をリークしたのではないかという疑惑がある。

文春は、以前から沢尻の薬物疑惑を報じていたから、彼女をマークしていたのはわかるが、逮捕直前、沢尻が渋谷のクラブで薬物か何かでラリっている様子を、クラブの中で隠し撮りしていたのは、あまりにもタイミングが良すぎないか。

TBSはキー局として唯一、事前に情報を入手し、逮捕前夜の沢尻の行動を撮影していた。ポスト(同)でTBS関係者が、「うちは代々組対5課とパイプが太く、16年の清原逮捕の時も、マンションからパトカーで連行される姿を独占撮影した」と自慢している。

長い時間をかけて信頼関係を築いてきたからだというのはわかるが、自分たちの「手柄」を誇示したい組対5課のために、メディアが「大宣伝」をやらされたことになるのではないか。芸能人だからメディアの前で晒し者にしていいというやり方は、おかしいというしかない。

そうすることで、逮捕即有罪という印象を多くの視聴者に与えてしまうことを、メディア側はどう考えているのか。

もし不起訴になったら、どう落とし前をつけるのか

沢尻は、逮捕後の尿鑑定では「陰性」だったといわれる。さらに毛髪鑑定も行ったという報道があるが、「毛髪鑑定では『薬物の使用時期を特定できないことから、たとえ陽性反応が出ても使用目的での所持だったことを完全に裏付けることはできない』」(警察関係者)と、スポーツニッポン(11月25日付)が報じている。

起訴はされるだろうが、スポニチで法曹関係者がこう指摘している。

「本人が薬物所持を自ら申告していることから、MDMAの違法性を認識して所持していたのは間違いない。しかし、尿鑑定がシロだったことから、使用目的で薬物を所持していたという明確な答えを出せなくなってしまった」

沢尻が、「交際相手から預かった物」と主張し、それが裏付けられた場合は、「不起訴になる可能性も十分ある」(同)というのである。

不起訴=真っ白無罪ではないが、逮捕時から有罪、薬物中毒、悪女と報じてきたメディアは、どう落とし前をつけるのだろう。

さらに、CMやNHK大河ドラマへの違約金は5億円ともいわれる。不起訴になった場合も、払うことになるのだろうか。