起用する際、綺麗だが、どこか沢尻の引きずっている暗い陰が、監督たちの目に留まったのであろう。

「別に」発言への謝罪は絶対にしたくなかった

2007年9月29日、自分が主演した「クローズド・ノート」の舞台挨拶で、不機嫌さを隠そうともせず、司会から、撮影中にクッキーを焼いて差し入れしたことについて聞かれ、「別に」と答えたことが、女優らしくない、不遜だと大バッシングを浴びるのである。

事務所側にいわれて、公式HPで謝罪するが、沢尻の本心ではなかった。

後に、CNNのインタビューで彼女は、「あれは間違いでした。事務所側にいわれてしたが、絶対したくなかった。これが私のやり方なんだから。結局折れたけど、でも間違っていた」という趣旨の発言をしている。

これが私のやり方、私の生き方だというところに、彼女の真骨頂があると思われるが、こういう女性が芸能界で生きていくのは至難であろう。

「別に」発言で芸能活動を休止せざるを得なくなってしまったことへの反発心からか、折れそうになる心を隠すための非難場所としてなのかは知らないが、その頃から大麻などの薬物に手を出したようである。

2009年9月30日、突然、所属事務所の「スターダストプロモーション」から、専属契約を解除されてしまう。当時から、薬物疑惑がささやかれていたが、文春(2012年5月31日号)が、その真相を詳細に報じたのである。

「みんなでマリファナを回しながら吸うのが好き」

文春は、スターダストが沢尻に出した「通知書」を入手した。

そこには、2009年9月10日に、「本人同意のもと薬物検査を実施したところ大麻について陽性反応が示され、本人は大麻使用の事実を認めた上で、今後大麻の使用を止めることはできない旨を表明したことなどが、専属契約の第9条(1)に該当するもの」と書かれていたという。

文春(2012年6月7日号)で、当時、沢尻と結婚していた高城剛が、その通知書が本物であることを認め、スターダストに呼ばれ、取締役とマネージャーから直接聞かされたと話している。

だが、スターダストから解雇されても、新たなCMが始まり、映画の話も進み、別のプロダクションも沢尻に触手を伸ばしてきた。

高城は、身も心もボロボロだった沢尻を連れてスペインへ飛ぶ。バルセロナの家で彼女は部屋に篭りっきりだったが、そのうち、自称「大麻インストラクター」というスペイン人と知り合い、再び薬物を使いはじめたという。

文春で、自称大麻インストラクターというセルヒオが、沢尻がマリファナパーティーに来たときの様子をこう語っている。