頼れる整形外科はどうやって探すか
「整形外科に通って電気治療を続けているけれど、なかなか治らない」――そんな不満を耳にすることがあります。私からすれば、それはある意味、当たり前。他の医科と違って、整形外科は通えば必ずしも治るものではないのです。
たとえば消化器だったら痛みの原因を特定して、それを除去すれば大体は治ります。しかし整形外科は、画像診断で飛び出した椎間板(ヘルニア)が痛みの原因ではないかと特定して、手術で切除しても、「まだ痛い」「しびれが残る」と患者が感じることはしょっちゅう。再発することも少なくない。股関節の手術だけは比較的成功しますが、膝関節、頸椎、腰痛の手術になるとあまりうまくいきません。総合的に見て、整形外科の手術で痛みがなくなるのは2割にも満たないのではないでしょうか。
なぜそうなるかというと、整形外科が扱う症状は膝関節炎など、加齢による痛みが多いからです。そうした痛みを全部なくすことは難しい。医師もそのことはわかっていますが、「年をとって痛いのは当然」と言っていたら、商売として成り立たない。診察したりリハビリをしたりして、患者をつなぎとめておくのです。