まず大切なのは、あなたには非がないので、自分を責めたり、卑下したりする必要がまったくないことを自覚することです。周囲の嫉妬に耐えかねて、気分が落ち込んだり、出社できなくなったという話を聞きます。それでは、相手の嫉妬に負けたも同然で、相手が喜ぶだけなんですよ。

そうしたときは開き直って、「何か文句があるなら、こっちと同じレベルまで上がってきたらどうだ」と宣言しましょう。私の師匠の立川談志は、「嫉妬とは、己で努力せずに、相手を攻撃することで自分のレベルまで引きずり下ろそうとすること」という定義をしています。自らレベルを下げたりしてはいけません。

談志が目覚めた志ん朝の一言

実は、そういう談志も、後輩の古今亭志ん朝に真打昇進で先を越されたときに、カッときて「辞退しろ」と迫ったことがあったのです。すると志ん朝は、「兄さん、真打になるのは自分の実力だと思いますよ」と言い返しました。それから談志は、自らの落語に磨きをかけることに専念しました。そして「志ん朝が追えない世界を築こう」という気概のもと、落語の定義付けをやってのけたのです。

要は、職場のなかでも見る人は見ていますから、いままでどおり胸を張って、真面目に仕事に取り組んでいればいいんです。けれども、同僚の嫉妬を受けていれば、ストレスも溜まるでしょうね。そんな場合は、落語でお馴染みの「与太郎」を見習って、何でも腹蔵なく、悩みを打ち明けられる相手を見つけましょう。気分がスッキリするし、あなたの味方も増えるかもしれませんよ。

それと、私は、趣味でウエートトレーニングにはまっているんですが、アドレナリンの分泌を促して脳を覚醒させることでストレスの発散になるし、腕力がつけば「いざとなったら、嫌がらせをしている連中をぶっ飛ばせるな」といった具合に自信もつくのでお勧めです。

【対策】「同レベルまで上がってこい」と開き直る

(構成=野澤正毅)
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