リッチな老後を迎えるにはどうすればいいのか。家計をV字回復させる方法について「実物家計簿」を通して解説しよう。第7回は「FPがうなる完璧家計」――。(全7回)
※本稿は、「プレジデント」(2019年10月18日号)の掲載記事を再編集したものです。
保険料・教育費ゼロゼロ家計で徹底節約
わが家は低所得ではあるものの、生活には満足している。それは現在は非常に少ない支出を実現しているからだ。その理由としては、食費や住居費など基本的な部分がとても安く済んでいることもあるが、保険料と教育費がゼロという部分が大きいだろう。
もし私や妻が怪我や病気で入院しても高額療養費制度で、自己負担は実質3万5400円(住民税非課税世帯の場合)しかかからない。子どもの医療費はそもそも無料だ。超過分は助成されるのだから保険料より安くつく。
1年以上仕事ができなくても困らないだけの貯蓄はある。妻が入院したら私が仕事を増やせばいいし、入院中にオンラインで稼ぐ方法もある。私か妻が死んだとしても残った1人で所得を月15万円程度にすることは難しくない。それで月々に貯金できる額は減るものの、現在の生活が維持できるのだから、わが家のような低コストの家計では必ずしも保険に入る必要性はないのだ。
教育費もかけない。2人の子どもは保育園に通っており、住民税非課税世帯では保育料はゼロだ。逆に児童手当は3歳未満が月1万5000円、3歳から小学校修了前までが月1万円もらえる。わが家の場合、子どもの衣類やおもちゃはほとんどが貰い物か個人売買で揃え、不要になれば転売しているので、かかるのはオムツ代程度。生まれてから子どもに関する収支はずっと手当のほうが多い。