リッチな老後を迎えるにはどうすればいいのか。家計をV字回復させる方法について「実物家計簿」を通して解説しよう。第6回は「家計主を子へ世代交代」――。(全7回)

※本稿は、「プレジデント」(2019年10月18日号)の掲載記事を再編集したものです。

買い物依存の母が生活を圧迫

4年前に父を病気で亡くし、都内の一軒家に母とふたりで暮らす息子の原さん。一軒家の住宅ローンは生前に父が完済したため、住居費の負担は少ないものの、父の遺族年金と母の年金に全面的に頼っている状態だ。

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本来、家計を支えるべき原さんは数年前に事故に遭い、腰と膝を負傷して働きに出られなくなってしまった。ネットオークションを使い転売業をしているものの、月の収入は5万円ほどしかない。家計を大きく圧迫しているのは母の趣味費だ。まず犬と猫の合わせて4匹分のエサ代とトリミング代で月に2万円。そしてネットショッピングの買い物で月に5万円を使っている。母の浪費癖に関して原さんはこのように話す。

「母は一日中家でパソコンを見ています。ネットショッピングにはかなり入れ込んでいるようで、不要なものでも安くなっていれば、すぐにポチッと購入してしまいます。かといって荷物が届いたとしても開封せずにそのまま放置というパターンもあるんです」

母が無駄に買ってしまったものの一部は原さんがオークションに出して現金化しているものの、買値で売れることは少なく、マイナスがかさんでいくばかりだ。