例を挙げると、あいづちが単純だと相手も「なんだ、ちゃんと聞いてないな」と感じてしまうので、「なるほど」「はい」「ええ」と何種類も使い分ける。「はい」と返すときでも、「はい」「はい、はい」「はーい」など1種類にしないというアドバイスが書かれています。

「わかる」という返事は使わない

ほかにも、「わかる」という返事は使わないとも書かれています。理由は、目の前の問題について、そう簡単にわかるわけがないからです(笑)。共感を示すことは大事かもしれないですが、「わかる」と言った瞬間に相手はカチンとくるケースは多いものです。

東山紘久 著●プロのカウンセラーである臨床心理士の著者が「聞き方」のコツと、そこから得られるメリットをわかりやすく解説。(創元社)

そういう「聞く」コミュニケーションの勉強や練習を人と積極的にすること。それが、自分の味方を探す第一歩にもなることでしょう。

「味方がいない」という悩みについてですが、あなたにとっての味方とは、どんな存在なのでしょう。きっと単に「なんでも賛成!」と言ってくれる人という意味ではないでしょう。何か挑戦するとき「ここは大丈夫ですか」と声をかけてくれる。もし失敗しても変わらず接して話を聞いてくれる。そんな存在のことでしょう。そんな信頼を寄せてくれる人こそが、あなたが信頼できる人、味方なのです。

味方を増やすには、役割に応じた行動をきちんと取り続けられることです。上司ならば、部下の問題を解決できているか。励ますことが役割としてあるなら、きちんと励ませているかどうか。問題がそこにあるのに、きちんと対応ができていないことがあると、信頼は決して得られません。相手の話を受け止め、自分が行動を起こす。そうして役割を達成したときこそ、相互の信頼関係ができあがり、「味方」は増えていくのです。

▼あなたの「聞く力」を上げよう

(構成=伊藤達也)
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