朝日社説も「若者の怒り受け止めよ」と同じ

次に同日付の朝日新聞の社説。「若者の怒り受け止めよ」という見出しからして、毎日社説と同じである。毎日と朝日がお互いに示し合わせてそれぞれの社説を書いたのではないかと、疑ってしまう。

朝日社説は主張する。

「グレタさんら12カ国の少年少女16人は『気候危機は子どもたちの権利の危機だ』と、国連子どもの権利委員会に救済を申し立てた。サミット直前には160カ国以上で400万人を超す若者の一斉デモがあった。こうした若者たちの怒りを重く受け止めねばならない」

若者の怒りに目を向けることは大切だ。ただ毎日社説と同様、“グレタスタンス”からある程度離れて論じることも考えてほしい。

朝日社説は終盤で指摘する。

「日本への風当たりも強い」
「国内外に数多くの石炭火力の新設計画があり、政府の排出削減目標も腰が引けている。今回のサミットに安倍首相は出席せず、小泉環境相は対策強化を何一つ打ち出さなかった。日本には危機感がないのか、と疑われても仕方あるまい」

安倍政権嫌いの朝日社説だけはある。

政治家や閣僚の発言が「セクシー」でいいのか

小泉氏は国連の場で記者会見し、「グレタさんの言葉はとても印象に残った。私も含めてみんなが重く受け止めたと思う。いまのままでいいとは思っていない。日本ももっと存在感を示さなければならない」と語った。今後、日本として具体的な温暖化対策をできる限り早く示してほしい。それがグレタさんら若者の怒りを受け止めることにつながるからである。

また記者会見で小泉氏は「セクシー」という英語を使って物議をかもした。本人は「性的」という意味ではなく、「わくわくする」という意味で使ったといっている。それなら、どんなわくわくする提案があったのだろうか。温暖化対策と同様、政治家、とくに閣僚の発言は分かりやすく、具体的であるべきだ。

最後にひと言。読売新聞(9月25日付)や産経新聞(9月25日付)も、「気候行動サミット」を社説で取り上げてはいる。だが、グレタさんへの言及は少なかった。保守的新聞には“グレタスタンス”は苦手なのだろうか。

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