「暴力と破壊」は弾圧の口実になってしまう
次に産経社説(主張)。見出しは「香港の弾圧激化 国際社会の監視を強めよ」で、こう主張する。
「中国は1997年の香港返還にあたり、『一国二制度』の維持を国際社会に公約した。逮捕された黄氏も、公約順守について『日本をはじめ国際社会も中国に要求してほしい』と訴えた」
「天安門事件の悲劇を香港で繰り返させないため、国際社会は結束して、一国二制度を無視した強硬解決を許さない決意を中国、香港の政府に伝える必要がある」
「国際社会」という言葉が繰り返されているが、ここまで混乱し、収拾の目処が立たない以上、国際社会の出番であることは確かだ。
そのうえで最後の産経社説は書く。
「今月開かれる国連総会一般討論は中国に国際社会の監視の目を示す重要な機会となる。日本政府は率先して香港問題の平和解決を訴えてほしい。一方で一部の学生は過激な行動をやめるべきだ。暴力と破壊は弾圧の口実となり、国際社会の支持を失いかねない」
この産経社説の主張は、これまでの沙鴎一歩の主張とほぼ同じだ。やはり日本政府が率先して動くべきだ。日本はどこまで国際社会に訴えることができるか。安倍首相の外交手腕が問われている。