心肺蘇生の中止を要望されたらどうするか
読売新聞(8月30日付)が、終末期医療について興味深い社説を掲載していた。
冒頭から「終末期の高齢者らの救急搬送に駆けつけた時、心肺蘇生の中止を要望されたらどうするか。各地の救急隊員が重い課題に直面している」と指摘する。見出しも「救急の蘇生処置 人生の最期をどう看取るか」と単刀直入で分かりやすい。
その人の死が迫るなかで施す医療が終末期医療である。読売社説は救急車で駆け付けた救急隊員が、患者やその家族から「このまま死なせてほしい」と頼まれたら、一体どうしたらいいのかという深刻な問題を投げかけている。
救急隊員は人を救うのが仕事だ。そう教えられ、そのための訓練を受けている。蘇生処置を拒否された場合には、どうするべきなのか。これは高齢社会における終末期医療の問題のひとつである。
読売社説によると、全国約700の消防機関の8割が心肺蘇生の中止を頼まれた経験を持つ。しかもこの8割という多さは、総務省消防庁の調査結果だというから驚いてしまう。