つみたてNISAとイデコで穴埋めを!
ところで、老後30年で約2000万円の資金が不足するという試算は、たとえば、プレジデントなどの経済誌の老後特集で計算される金額よりは少ないと思います。理由の1つには支出に老人ホームの介護費用や住宅のリフォーム費用などを含んでいないからです。
さらに、2004年の年金制度の改正によってマクロスライド方式が採用されましたが、これが意図するところは明確です。時間の経過によって、実質的な受給水準は減っていくということです。だから20世紀の、年金受給のイメージや、老後の生活とは、全く違うものにこれからは変わっていきます。
現役世代の所得の何%を保障するかを示す所得代替率も下がっていくことは示されている。それに対して、自分が切望する人生水準・経済水準が別にあり、年金だけでは足りないとすれば、今度は公助に自助をプラスするという、極めてロジカルな話になってきます。
そして、この自助の部分のやり方が世の中の皆さんはわからないとおっしゃる。だから、この報告書は「自助というのは、こういった行動を合理的に取っていくことによって実現可能だ」ということをお示しした報告書なのです。公助プラス自助の考え方が定着することによって、まだまだ豊かな人生を社会レベルで実現できるという、非常に前向きな提案をしたのです。