老後の家計を支える会社の退職金や企業年金。運用の重荷から、廃止や削減をする企業が増えている。これからどうなるのか。「プレジデント」(2019年8月30日号)の特集「役所も医者も、誰も教えてくれない『認知症の全対策』」より、記事の一部をお届けします――。
企業の退職金制度は、危機的状況にある
「じつは以前に会社の役員会議で退職金制度の廃止の是非について議論が行われたことがあります。一時は廃止にしてその分を毎月の給与に上乗せする前払い方式が優勢になりました。結果的に退職金を減額して存続することになったのですが、いまでも社内では廃止論がくすぶっています」
こう語るのはある東証一部上場企業の人事部長だ。国が公的年金の補完として期待する企業の定年退職金もいま、危機的状況に陥っている。
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