ハウスとの深い協力関係が繁栄につながった

ココイチの圧倒的な強さの背景には、カレーの原材料の供給元であるハウス食品との深い関係性がある。カレーソースの原材料となるルウや香辛料を大量に安定的に調達できる企業となると、ごく一部に限られてくる。「バーモントカレー」に始まって、ハウス食品は他企業よりもカレーに関して一日の長がある。長く協力関係を築き、原材料を安定して調達できたことがココイチの今日の繁栄につながっている。

早くからセントラルキッチン(集中調理施設)を設けたことも大きいだろう。カレーソースは工場で集中加工して大量生産するのに向いている。店舗ではカレーソースを温めるだけでカレーを提供できる。

創業の翌年には工場を開設した

ココイチの1号店が誕生したのは1978年。翌79年には愛知県にチェーン本部と工場を開設している。97年には佐賀県、99年に栃木県にそれぞれ工場を完成させた。これらの工場ではハウス食品から仕入れたルウなどを使ってカレーソースを製造し、全国の店舗に供給している。

ほかのカレー店では、カレーソースの製造を店舗で行ったり、社外の工場に委託したりすることが多い。これではコストが膨らむため、その分を価格に転嫁するしかない。そうなればコスパは悪くなってしまう。一方、ココイチは自社の工場を持つことでそのコストを削減し、低価格・高利益を実現してきたのだ。

ココイチの国内における圧倒的なポジションは当面、安泰だろう。だが、国内店舗数は伸びているとはいえ、かつての勢いはなく飽和感が漂い始めている。さらなる成長を果たすには、海外市場の開拓が欠かせない。そうしたなかで、インドで勝負する道を選んだというわけだ。ココイチがカレーの本場で成功するかに注目が集まる。

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