マクドナルドは「スパイシー」「チリ」押し

インドで成功している外国の飲食チェーンの多くは、インド人の嗜好に合ったメニューを積極的に開発して提供している。

例えば、マクドナルドはインドでは「spicy(スパイシー)」や「chilli(チリ)」といった言葉を冠した商品を多く取りそろえている。香辛料が効いた料理を好むインド人に合わせたメニュー構成にしているのだ。食文化に合わせて牛肉を使わず鶏肉を使ってもいる。

インドのマクドナルドのメニュー(HPより)。「スパイシー」がひとつの商品カテゴリーになっている。

また、地方領主を意味する「マハラジャ」の名を冠した「マハラジャバーガー」をインド限定で販売している。本家のメニューをそのまま持ち込むのではなく、インド向けにアレンジして市場の攻略を図っているのだ。

中華料理も、アレンジを利かせたものが大半だ。通常の中華料理にインド独特のスパイスを入れるなどして、現地の好みに合った味付けにしている。これは「インディアンチャイニーズ」と呼ばれ、インド人に広く受け入れられている。

日本料理店も味付けに工夫をしている

インドの日本料理店も、もちろんこうした工夫を行っている。例えば、鉄板焼きのソースに豆板醤や唐辛子、マサラなどのスパイスを加えて刺激を出すようにするなど、日本のスタイルそのままを出すのではなく、インド人が好む味付けにして提供しているところが多い。

インドでは日本料理はイタリア料理や中華料理と比べてマイナーな存在だ。しかし近年はインドの有名人が「健康に良い」という理由で、すしなどの日本食を食べていることをメディアで話し、一般人が興味を持つケースが増えている。日本食に注目が集まり出しているのだ。これは追い風だろう。もっとも、他国同様にインドでも日本料理といえばすし、鉄板焼き、天ぷらであって、日本のカレーはあまり知られていない。

こうした状況のなか、ココイチは日本のカレーをそのまま持ち込み、「ジャパニーズカレー」として売り出す考えだ。ある程度インド向けにアレンジする可能性はあるが、日本のカレーが受け入れられるかどうかに注目が集まる。