バッティングを続けていると、仕事との共通点も浮かび上がるそうだ。

「バッティングって、ものすごくメンタルに影響するんです。当てよう当てようと思っていると、逆に当たらない。引き付けて、全身の軸を使った回転で打たないと飛ばないんですよ。単に力むのはダメ。ある意味、力を抜きながら、相手(ボール)のペースに合わせ、八分の力が一番当たるし、飛距離が伸びるんです。仕事と一緒で力んではいけない」

習慣化のカギは、成果の実感

このバッティングセンター健康法を軸としつつ、溝畑氏はほかにも毎日の運動を欠かさない。

編集部が取材した日も梅田バッティングドームで午前中のイライラを球速150kmのボールにぶつけていた。ちなみに御年58歳だ。「これで仕事もリフレッシュして取り組めますわ! バッティングセンターは最高や!」

「朝50回、寝る前に100回の合計150回のスクワットを習慣にしています。それから横綱の白鵬さんに教えてもらった四股もお風呂前の習慣にしています。白鵬さんが『四股は健康に一番いい』と話してくれて。これは世界的にスタンダードなようです。先日、アメリカに行ったときには『相撲エクササイズ』というフィットネスを教えてもらいました。四股って、片側に重心を持っていき、膝に手を置いて、反対側の足を上げますよね? あれが体幹を鍛えるんです」

ここまで、経営者たちが実践する様々な運動法を紹介してきたが、やはり続けられるかがもっとも不安なはず。運動を続けられるポイントはどこにあるのか。

樺沢氏は「習慣化を定着させるためには、成果を実感できること。例えばバッティングセンターはどこにでもあるので、実行するまでのハードルが低く、ボールが当たっただけでうれしい。成果が出るのでモチベーションが続きやすいのです。一方、一人前になれるまで多大な時間を要するものは挫折しやすいのでおすすめしない」と解説する。

「年を取ったら、みなさん消極的になるんですよ。例えば、今50代の方はスキーなんてあまり行かないでしょう。いろいろ理由はあるでしょうが、それは怪我が怖いなど不安要素があるから。チャレンジ精神が失われていくんです。バッティングセンターならこの雑誌を読み終わってからもすぐできるほど手軽です」

(集計協力=mikuPR、アイランド・ブレイン、ネタもと、高橋史佳)

樺沢紫苑
精神科医
1965年、札幌市生まれ。札幌医科大学卒。米・イリノイ大学への留学を経て樺沢心理学研究所を設立。著書に『学びを結果に変えるアウトプット大全』など多数。
 
(撮影=加藤 慶、横溝浩孝 撮影協力=梅田バッティングドーム)
【関連記事】
トヨタの営業マンが売れないときにやる事
やりたくない事をやり続けると病気になる
なぜ低年収の人ほど、歯を気にしないのか
「半年でダイエット」がほぼ失敗する理由
「あの病気」、原因は意外にも目にあった