都心部で経営する眼科医は、なるべくコストを下げたい
「保険点数は全国一律なので、固定費の高い都心部で経営する眼科医は、なるべくコストを下げたい。賃貸坪単価がとくに高い東京23区内で、大きな眼科が少ないのはこのためです。都内で手術設備を作ったとしても、通常は外来患者の診察が中心となるため、医師が手術を行えるのはせいぜい週に1度。稼働率の低い設備投資は控え、診療スペースも必要最低限に抑えよう、ということになります」(同)
眼科経営は地域ごとに特色があり、車社会の中部圏では駐車場付きの一軒家タイプの眼科が多く、交通網が発達している大阪では、駐車場付きの眼科はほとんどない。地方では、手術を依頼する大学病院や総合病院などの搬送先が遠方になるため、すべての設備を自前で揃えざるをえず、規模が大きくなることもある。
最後に、眼科の受診で気をつけるべきことを聞いてみた。
「眼科医は、角膜、白内障、糖尿病、緑内障など、それぞれの専門分野を持っています。まず、受診する医師の専門が何かを知ることは非常に大切です。そして、医師が自分の疾患の専門でない場合は、その分野の専門医にきちんと紹介をしてもらえるかを確かめておくとよいでしょう」(同)
藤本雅彦
フジモト眼科理事長兼院長
日本眼科学会認定眼科専門医。2012年よりフジモト眼科理事長に就任し、15年より院長も兼任。年間1000件以上の白内障手術を手掛ける。著書に『「白内障手術」で絶対に後悔しないための本』。
フジモト眼科理事長兼院長
日本眼科学会認定眼科専門医。2012年よりフジモト眼科理事長に就任し、15年より院長も兼任。年間1000件以上の白内障手術を手掛ける。著書に『「白内障手術」で絶対に後悔しないための本』。
(写真=iStock.com)