イデオロギーにこだわると見えなくなること

では解決策はどうすべきか?

単独親権と共同親権の選択制にすればいいだけだ。

両親にDV問題があり、元夫、元妻の連絡を断絶しなければならない場合には単独親権にする。そのようなDV問題がない場合には、共同親権にする。DV問題がなくても、単独親権でいいという夫婦においては、単独親権にする。

このように具体的事例を想定して、そのケースに相応しい制度を用意すればいいだけだ。あとは選択の問題である。

単独親権は、その制度でもあまり問題が生じない時代ではそれでよかった。しかし時代が変わり、共同親権にしなければならない社会的要請が強まったのであれば、共同親権も用意すべきだ。単独親権がいいのか、共同親権がいいのかを二者択一的に抽象的に論じるのではなく、両方用意した上で、当該ケースにおいては、どちらが相応しいのかを選択すればいい。

木村さんや駒崎さんが心配する事例のときには、単独親権にすればいい。しかしそのような懸念がなく、子供と一緒に暮らしはしないが、離婚後も子育てには積極的にかかわりたいと思っているお父さんにも絶対に共同親権を認めないという理由は何なのか?

木村さんと駒崎さんは、自分のイデオロギーである単独親権にこだわり過ぎたがゆえに、具体的事例の想定と立法事実の検証が不十分となってしまった。つまり、本当に共同親権が必要であるお父さんの事例を見落としてしまった。お父さんも積極的に子育てに関与すべきだ! と強く主張している駒崎さんなのに、離婚後に親権がなければ、子育てに強く関与できなくなるお父さんの現実を見落としてしまっている。

子育てに積極的にかかわっている駒崎さんだからこそ、もし自分がDV以外のやむを得ない事情で離婚してしまったときのことを考えて欲しい。そして裁判所が奥さんを親権者として定めたときのことを考えて欲しい。

駒崎さんは、きっとこう言うだろう。「父親の権利を認めろ! 共同親権にしろ!」とね。

(略)

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※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.157(6月25日配信)を一部抜粋し、加筆修正したものです。もっと読みたい方はメールマガジンで! 今号は《【令和時代の天皇制(3)】どうする皇位継承問題? これが具体的事例から課題解決を導く超実践・思考法》特集です。