言葉を尽くしすぎると伝わらない

プレゼンでYESを引き出しにくい人の特徴2つ目は「真面目」です。言うまでもなく、きちんと準備するとかアポに遅れないとか、そういった真面目さは必要です。でも、プレゼンが上手く行かない人の真面目さは、こうした真面目さではありません。

プレゼン下手の真面目な人は、わかりにくいことを一生懸命に言葉を尽くして説明しようとします。しかし現実には、相手が知らないことは、理屈や詳細をいくら説明しても伝わらなかったりします。

たとえば初めてプロジェクトに参加する若手に対して、プロジェクトと普段の通常業務との違いを説明するのはそれなりに難しいでしょう。「通常業務は決まった人が決まった順番で仕事をするものですが、プロジェクトは一応の役割分担は決まっていますが、そのときどきで臨機応変に動いて仕事を進めるものです」などと言っても、相手がピンと来ない可能性がありますよね。

思いきったたとえをする

こんなとき、「たとえてみるとサッカーと野球くらい違います。通常業務は野球のように打順や守備位置が決まっていて迷いませんが、プロジェクトは、一応の役割は決まっているものの、サッカーのように状況を見ながら自分で考えて動く必要があります」と言えば、誰でもイメージしやすくなるでしょう。

プレゼンでするっとYESをもらえる人は、こうした思いきったたとえができます。「そんな大雑把なたとえでは誤解されてしまうのでは」とも悩みません。だって、思いきってたとえたほうが、聞き手はわかるからです。細部まで正しく伝えようとして結局何も伝わらないより、はるかにいいでしょう。これは、プレゼンに必要な度胸ともいえます。

一つだけ、たとえを考えるときは、聞き手がよく知っているものを選ぶ必要があるので注意してください。

(イラストレーション=たかだべあ)