バカッターの発生源は世代交代している
本論に入る前にひとつ言及しておきたいのだが、「今年、2013年以来6年ぶりにバカッター騒動が発生した」といった指摘は誤りである。実は2017年にもバカッター騒動は発生している。ちなみに2013年の記念すべきバカッター第1弾は、高知県のローソンでオーナーのバカ息子が店舗のアイスケースに入っている画像だったが、2017年の夏も暑かったせいか、アイスケースに入るバカが登場した。
なぜ4年程度の潜伏期間があったのかというと、大抵の場合、バカッター騒動を起こす者は高校生か大学生、ないしは20代前半の若者であることに起因している。2013年、取り上げるネタのなかったテレビ局がしきりとバカッター騒動を報じたので、さすがに当時の高校生や大学生は「こういったことをやってはいけないのだな」という思いを強くしたのだろう。さらに、そのころは高校、大学、専門学校、バイト先でバカ画像を投稿しないよう指導もされていたという。だからこそその後の4年間、バカ写真・動画がSNSにアップされることはあまり発生せず、広く拡散されることもなかったのだと思われる。
しかし、2013年ごろにニュースやワイドショーを見る習慣のなかった小中学生が高校生や大学生となり、当時の教訓を知らないまま、バカッターに手を染めてしまったのではないだろうか。つまり、世代交代が起きたのである。また、教師や大学当局の職員、バイト先の上司も「あぁ、もうみんな賢くなったな。さすがに『冷蔵庫に入った写真を投稿してはいけません』なんて注意は、もういらないのかな」と考え、若者に対しての指導を2013年ごろほど熱心にはしなくなったのかもしれない。
ネットのバカネタに頼ってばかりのテレビ局
また、こうしたバカッター騒動については、テレビ局が「流すネタがないから」という理由で大々的に拡散する面があることも理解しておくほうがいい。だいたい最近のテレビ局は、ネットのバカ騒動に番組の尺を埋める役割を求め過ぎだ。
お前ら、数あるメディアのなかで最も高額の広告費をスポンサーに課しているくせに、自分の足でネタを探し出す気概もなく、手っ取り早いネットのバカネタ頼りって安易にも程があるだろ。「ネットで発生したバカ騒動なんて、放送免許を政府から与えられた公共的存在である我々は報じない」という気概を持て!
それでは「なぜバカッターは発生するのか?」について、これから結論づけていこうと思う。前述した「バカだから」が究極の真理ではあるが、以下がそれに付随する意見である。なお、ITジャーナリスト・三上洋氏は「インスタグラムの機能『ストーリー』が24時間で消えるため、あまり危機感を持たなかったのでは」といった論をテレビの生出演で述べていたが、これも重要な理由のひとつだろう。