空飛ぶバイクの次に狙うは、空飛ぶクルマ

【田原】道交法? 空飛ぶバイクは何にあたるんですか?

【小松】中型バイクと想定しています。国交省に最初に持っていったときは、大型の消防車やバキュームカーと同じ特殊車両だと言われましたが、それだと乗れる人が限られてしまうので。

【田原】ということは、空飛ぶバイクにはナンバーがつくわけですか?

【小松】はい。ちなみに乗っている人の頭が一定の高さを超えると道交法の範囲を超えて飛行機と同様の扱いになるので、さらに厳しい規制がかかります。

【田原】海外はどうですか?

【小松】先進国で売り出すときには、それぞれその国の道交法の範囲内でやります。ただ、僕らがターゲットにしているのはアフリカや中東。それらの国では1~2メートル浮かせて走らせることになるかもしれません。

【田原】先進国より途上国?

【小松】じつは空飛ぶバイクにもっとも乗ってほしいのは交通に困っている弱い立場にある人たちです。地面に接しないので、砂漠や、地雷が埋まった草原も走れる。道路が整備されていない地域で移動に困っていた人たちの足になればいいなと。

【田原】先進国でもっと使い道がないかな。

【小松】空飛ぶバイクはハイブリッドにしました。だから災害などで停電になった地区に飛んでいけば、非常用電源として活用できます。もちろん普段からも活躍できる。日本の交通インフラは老朽化が進んでいますが、タイヤがないので道路を傷つけないというのは利点だと思います。

【田原】時速は何キロくらい?

【小松】目標は120キロですが、現時点では30キロ。一人乗りです。

【田原】市販できるのはいつごろになりそうですか?

【小松】20年にお披露目します。オリンピック前のイベントで発表して、期間中にプロモーションをして、そのあとにグローバルで申し込みを受け付けるイメージでしょうか。最初はリミテッドエディションで、数十台から100台程度の販売を予定しています。

【田原】値段はいくらくらい?

【小松】まだ決めていませんが、おそらくフェラーリと同じくらいかなと。

【田原】そうすると1000万円じゃきかないね。そんなに高くて、誰か買うのかな?

【小松】ZOZOの前澤さんが買ってくれそうな気がします(笑)。あとは石油王とか。もちろんこれは最初の限定版の話。目指すは弱者の乗り物なので、将来は量産化して、少し高い自転車くらいの価格にしたいです。

【田原】量産するなら工場が必要だ。