ラグジュアリーブランドを日本で育てるには

日本の製造業は、コストの高さに苦しんでいます。工場の海外移転などでコストダウンに取り組む企業も多いですが、いずれ現地の人件費が上がれば、また別の移転先を探さなくてはならず、対症療法にすぎません。高品質なものづくりができる日本企業は、コストダウンの追求ではなく、高くても売れるものづくりを追求すべきです。もちろん、簡単ではありませんが、学ぶべき手本はあります。それは、ヨーロッパのラグジュアリーブランドです。

ラグジュアリーブランドとは、高くても売れる製品をつくり、熱烈なファンのいるブランドのことです。なお、ラグジュアリーブランドとプレミアムブランドは混同されがちですが、プレミアムブランドが比較的高品質であるのに対して、ラグジュアリーブランドは他に比較できるもののない、最上級、絶対無比のものを表します。例えば、ルイ・ヴィトン、エルメス、グッチ、カルティエなどのラグジュアリーブランドは、ファミリービジネスや地場産業からスタートし、この40年で世界的なブランドに成長しました。