「負けに不思議の負けなし」1月入試の典型的失敗例

一方、自信が持てずすぐにへこんでしまうタイプの受験生には、あえて「連勝確実」な受験パターンをわたしは勧めている。通うつもりがない学校とはいえ、合格証書を受けとれば、親子ともにうれしいし、2月1日以降に向けて弾みがつくことは間違いないからだ。

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なお、「進学候補にはならない」と考えていたはずの1月の学校が、思いのほかアクセスがよいことを知り、また、学校の雰囲気を親子ともに気に入ることで、突如、進学候補になる事例も数多くある。こうなると、進学先がひとつ確保できたという安心感が子の自信を生み出し、2月1日以降の入試で実力をいかんなく発揮できるケースもあるのだ。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という格言がある。これは肥前国平戸藩第九代藩主であり、心形刀流剣術の達人でもあった松浦静山のことばである。

この格言は1月の中学入試にも適用できる側面がある。つまり、「失敗にはそれなりの理由がある」ということである。

これまでわたしが見てきた1月入試失敗例のいくつかを紹介したい。受験生親子はこれを反面教師にしてくださると幸いである。

*1月入試校に友人たちとワイワイ向かったので「失敗」

先述したように1月入試は立派な「本番」。そこでは適度な緊張感が求められる。しかし、子ども同士というより、ママ友たちが連れ立ってみんなでワイワイ入試に向かうケースがよく見られる。こうなると、ほどよい緊張感を得られない状態のまま入試問題に取り組むことになってしまう。結果として不合格をくらってしまうケースが多い。中学入試はあくまでも「個人戦」である。それを肝に銘じて1月入試に臨んでほしいと思う。

*道に迷って「失敗」

塾で指導している子の1月の入試会場に応援に行くと、決まって入試開始時刻ギリギリ、あるいはやや遅れて親子でゼイゼイ息を切らして駆け込んでくるケースがある。子はすでに半ベソをかいている。最初から「負けて」しまっているのだ。これでは普段の実力を発揮することは難しい。到着が早すぎるのも問題だが、アクセスを下調べの上、余裕を持って入試に向かってほしい。

*過去問を解かずに「失敗」

1月入試を「練習台」「滑り止め」と考えるがゆえに、その学校の「過去問」(過去に出題された問題)に一切目を通さずに入試に臨む受験生がいる。が、学校によって出題形式や入試問題の体裁はまちまちである。いざ入試問題を解こうとして途中で要領がわからなくなり、頭の中が真っ白になる受験生がいる。こんなことがないように事前対策は手を抜かないようにしたいもの。