「本質」を押さえておけば、英語は「OK」だけでも大丈夫

「それと、作品の展示をしたいと言ってくるとするでしょ。制作費がこれだけかかって、輸送費がこれだけ、っていう条件さえ伝えてもらえば、あとは、こっちはOKって言うだけですから」
「……」
「つまり、ぼくは、OKっていう英語以外は喋らなくて済むんで、英語力、全く要らないんですよ」
「猪子さん、あのねえ……」

猪子さんの発言は、暴論のようだし、猪子さんという特異な才能、そしてチームラボという高度な技術を持った集団だからこそ成立する話のように思われる。

また、実際には、チームラボの中には、細かい交渉などで英語を駆使するメンバーもいるからこそ、猪子さんが英語を話さなくて済んでいるという側面もあるのだろう。

それにしても、「英語は、OKさえ言えれば大丈夫」という猪子さんの割り切り方には、1つの真実があるように思われた。

チームラボの作品の作り込みには、魂を注いでいるのだと猪子さんは言う。一つ一つの作品がどのように見えるかについては、長い時間をかけて徹底的に詰めていくのだと言う。

逆に言えば、作品のクオリティという「本質」さえ見極めて、そこを押さえておけば、英語は「OK」だけでも大丈夫だということになる。そのようなポジションを、猪子さん、そしてチームラボは長年の努力でつかんだのだ。

このたび、お台場にオープンした「チームラボ ボーダレス」では、作品が会場の中を動き回って、お互いに侵入し合う。それでも統一感が失われないのは、徹底的に作り込んでいるからだと猪子さん。

英語は、「OK」だけで済むくらい本質を作り込んでしまう。これは、グローバル時代の1つの立派な戦略ではないだろうか。

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