脳が休息する睡眠を(熊谷医師)
「睡眠には4つの段階があり、そのうち1段階目は浅い眠り。体は寝ていても脳は起きています。脳が眠る深い眠りは3~4段階目です」
疲労を感じるときはこの3~4段階目に入る眠りができていない可能性が。
「一晩の睡眠は、60~90分サイクルで、深い眠りと浅い眠りを繰り返していますが、加齢とともに長く寝ても深い眠りに入りにくくなります。すると、疲れがとれないばかりか、脳への大きなダメージも起きかねません」
深い睡眠は、脳にとって「βアミロイド」などの不要物を掃除する時間でもあるからだ。
「βアミロイドは、たんぱく質のゴミのようなもので、これがたまることがアルツハイマー病を引き起こすともいわれています。睡眠が3~4段階目に入って脳がしっかり寝ているときだけ、神経細胞のつなぎ目が緩んでβアミロイドが表面に出てきます。そして脳脊髄液から静脈に入り、洗い流すことができるのです」
深く眠るにはどうしたらいいのか。
「できれば、朝日とともに目覚めるような自然な生活をすること。そして昼間はよく体を動かすこと。脳脊髄液がシャッフルされ、とらえたゴミが静脈へと流れやすくなるのです」
牧田善二
糖尿病専門医
医学博士。1979年、北海道大学医学部卒業。ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などでAGEの研究を行う。2003年にAGE牧田クリニックを開業。
熊谷賴佳
脳神経外科専門医
認知症サポート医。1977年、慶應義塾大学医学部卒業後、東京大学医学部脳神経外科学教室入局。東京警察病院などを経て、92年より京浜病院院長。
糖尿病専門医
医学博士。1979年、北海道大学医学部卒業。ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などでAGEの研究を行う。2003年にAGE牧田クリニックを開業。
熊谷賴佳
脳神経外科専門医
認知症サポート医。1977年、慶應義塾大学医学部卒業後、東京大学医学部脳神経外科学教室入局。東京警察病院などを経て、92年より京浜病院院長。
(撮影=相澤 正 写真=Getty Images、iStock.com)