2 酒は脳に良いのか

血糖値が上がらない、お酒の種類とは

お酒を飲むと、脳にはどんな現象が起こるのだろうか。

「アルコールはインスリンと同じように脳の関所である脳関門を通り抜け、大脳の中に入ります。そして理性をつかさどる大脳前頭前野や、動物脳ともいわれる大脳辺縁系を刺激するのです。適度に飲んでいれば、大脳が活性化しているから話題が弾んで楽しい酒になるでしょう。しかし、飲みすぎるとしだいに前頭葉がマヒしてしまう。そして、辺縁系だけが活性化されるために理性が失われ、乱暴な口を利いたり、行動が荒っぽくなると考えられます」(熊谷医師)

適度な量であれば、脳は活性化するのだ。

飲酒で血糖値は上がるのか。牧田医師は、血糖値と酒について健康な人のデータを示してくれた。

まず、食事中にアルコールを飲むことで、血糖値やインスリンにどのような変化が出るか(グラフ参照)。これによれば、白いパンを食べた人では45分後に血糖値は急上昇する。それから下降するが、2時間たってもまだ若干血糖値は高い状態にあった。ビールは飲んで30分後に血糖値が上がり、パンほどではないが血糖値の変動が見られる。これはビールに糖質が含まれているからだ。表を参照していただくとわかるように、ごくごく飲めてしまうビールの糖質量は高いので、注意が必要だ。

しかし、ワインと蒸留酒であるジンに関しては、血糖値は全く上がらず、2時間後には摂取時よりも下がっていたのだ。どの種類のお酒を飲むか、選び方が大切だ。

牧田医師が提案するのは、ヨーロッパスタイルの飲み方だ。

「フランス人やイタリア人は、ワインを飲みながら何時間もかけて食事をします。彼らが食べるわりに太っていないのは、こうした飲み方にもよるのでしょう。実際、我々のスタッフの研究でも、ワインに始まり、肉や魚、チーズ、パスタをたっぷり食べるイタリア料理では、食べても血糖値が上がらないことが検証されています」