パワハラ護身術:しつこく嫉妬されても「無反応」を通す

【その2「嫉妬またぎ」をする】

さて、気づいたあとはどうすればいいか? それは「無反応」が正解です。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/VectorFlames)

以前は会社の上司がパワハラをしてきたときに、一生懸命上司に「自分は悪くない」と説明していた人が、「これって嫉妬されているのかも?」と思って相手にしなくなると、上司のパワハラがなくなります。「パワハラは嫌だな」と反応してしまうと、相手の攻撃はおさまりません。「発作なんだ!」と相手にしなくなると、発作がおさまるのです。

なぜかというと、不安でいっぱいになっているときは脳にストレスがたまっているから。脳にストレスがたまっているときは、脳の電気(ストレス)が相手を刺激してしまいます。「これは嫉妬なんだな」と不安感から解放されると、脳にストレスがたまらなくなるので、相手を刺激しません。

過呼吸の発作を起こしている人には、あえて触れないという「発作またぎ」が効きます。嫉妬の発作も同様。発作は触れなければおさまります。

上司や先輩から必要以上に責められて嫌な気持ちをするときは、反省しない、対処法も考えないのが一番。いつの間にかパワハラされなくなるのです。

【その3 好きなことだけやる】

マイペースに、好きなように仕事をしているのに、まったく誰からも怒られず、かえって好かれて尊敬されている人もいます。こうした人は嫉妬の影響を受けにくいのです。なぜかというと、好きなことしかしていないため、脳にストレスの電気がたまっておらず、周囲を刺激しないから。

嫉妬の攻撃を受けやすい人は、自分の頭の中の不安感や他人のことを考えすぎてしまうせいで、脳のストレス(電気)が周囲に伝わり、相手を刺激してしまっています。

自分の好きなことを楽しんでいるときは、不思議と人間関係もうまくいくもの。

もし今、上司からのパワハラや誰かからの攻撃に悩んでいる人は、まずは少しでも「好きなことをやる」ことを仕事や日々の生活に取り入れてみたらいかがでしょうか。

大嶋信頼(おおしま・のぶより)
心理カウンセラー
米国・私立アズベリー大学心理学部心理学科卒業。ブリーフ・セラピーのFAP療法(Free from Anxiety Program)を開発し、トラウマのみならず多くの症例を治療している。嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室室長などを経て、現在は株式会社インサイト・カウンセリングの代表を務める。カウンセリング歴25年、臨床経験のべ7万9000件以上。
(写真=iStock.com)
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