ベテラン上司がペーペーの新卒に嫉妬するメカニズム

また、何か優れた才能があっても、人から批判されないようにするために、目立たないよう、謙虚に振る舞ってしまう人もいるでしょう。このような謙虚な性格の人は、自分よりも周囲から優しくされやすく、脅威を感じる存在なので、嫉妬されます。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/clumpner)

たとえば、ベテランの上司が若い新卒の社員に対して、「自分よりも優れている!」と感じると、その人の匂いなど、ちょっとしたことがきっかけで反応してしまって、嫉妬の発作を起こしてしまうのです。

また、もうひとつ嫉妬される特徴がある人は、「他人の気持ちを気にしやすい人」。人の気持ちばかり考えていると、脳内でストレスの電気がたまって解消できない、という現象が起きます。自分の脳にストレスの電気がたまっていると、相手がこちらに注目をむけたときに、こちらの脳内のストレスが相手に伝わります。これは、脳内にあるミラーニューロンという神経細胞という働きによるものです。ミラーニューロンは相手に注目を向けただけで、脳内でモノマネをする、という作用があります。そのため、こちらにストレスがたまっていると、相手の脳にストレスがたまって帯電し、「ビビビッ」と嫉妬の発作を起こしてしまうのです。

理不尽な上司のパワハラ=嫉妬から逃れるための「護身術」3

【その1「この人は嫉妬している」と気づく】

では、嫉妬から逃れるにはどうすればいいのでしょうか。それは、「相手が嫉妬しているんだ」ということにまず気づくこと。嫉妬している人の特徴には次のようなものがあります。

▼嫉妬している人の特徴1:顔が能面のようになる

嫉妬の発作を起こしたときは、表情筋がうまく動かなくなります。笑顔が引きつったり、仏頂面になってしまったりするのですが、発作ですから本人はそれを自分でコントロールすることができません。こちらが話しているときに、相手の反応を見て、「まずいこと言っちゃったかな?」「間違ったことを言っているのかな?」と思うのは、こちらが言ったことに対して、相手が嫉妬の発作を起こして無表情になるからです。

▼嫉妬している人の特徴2:自分にだけひどい

次に発見しやすい特徴は、「他の人にはそんな態度をとらないのに、私にはなんで!」と思うような態度をとるとき。他の人はくだらない発言をしても、上司や同僚が「うん、うん」と優しく聞いていて、まるですごいことを言っているかのような扱いを受けます。ところが、自分が発言をしたときは、「みんな能面顔!」で無反応だから、「私の話し方がおかしいのかな?」と不安になります。こんなときは、高い確率で「周りの人が嫉妬の発作を起こしている!」と思って間違いないです。

▼嫉妬している人の特徴3:破壊的な人格になる

「こうなったのはお前のせい!」とふてくされた態度をとることで、こちらに罪悪感を抱かせて、精神的にダメージを与えます。発作なので意識せずに自動的にやっています。

嫉妬の発作を起こした「破壊的人格」でわかりやすいのが、「パワハラ」と「セクハラ」。上司が「なんでお前は仕事を真剣にやらないんだ!」と怒鳴りつけたりするのも、実は嫉妬なのです。精神的にダメージを与えている時点で、「嫉妬の発作」が働いている、と思って大丈夫。上司が「あんたには彼氏がいないの?」と職場で聞いてきたりするのは、「セクハラ」ですが、これも「嫉妬の発作」です。

言われた側は「嫌だな」と精神的にダメージを受けます。ダメージを与えるようなセクハラ発言をしてしまう上司は、嫉妬の発作を起こして破壊的人格に変身してしまって、意図しないでダメージを与えるような発言をしているのです。

相手の顔が能面になっていたり、責められて不快な思いをしたりするときは、「あ、この人嫉妬しているんだ」と気づくことが重要です。