Q.10:タバコが認知症予防になる?
「昔流行した、単なる俗説」

「かつてニコチンは神経伝達をよくするといわれ、喫煙によってアルツハイマー病の発症が抑制されるという研究報告がありました。しかし、現在では、喫煙はアルツハイマー病の発症を促すという考えが主流になっています」

非喫煙者と比べた場合、喫煙者がアルツハイマー病になるリスクは2.7倍、血管性認知症になるリスクは2.9倍という調査報告もある。また中年期は喫煙していたが、老年期から非喫煙に転じた場合、数値はそれぞれ1.9倍、1.6倍に低下している。

Q.11:ウオーキングが認知症予防になる?
「有酸素運動は効果的」

運動は認知症の予防にもっとも効果的と認められる。中年期に、1回20~30分の運動を週2回以上行った場合、認知症発症率はしない場合の半分以下になるという。

「軽い有酸素運動をすると、脳血管の血流がよくなるため、血管性障害の予防・改善になります。週3回のウオーキングで、アルツハイマー病のリスクが3分の1に減ったという報告も。ウオーキングするなら1回30分程度、2日に1回を心がけましょう」

Q.12:ギャンブルは認知症予防に効果的?
「実証はされていない」

ギャンブルと認知症の関係は証明されていない。しかし賭け事や、将棋・麻雀などのゲームは脳を刺激し、活性化させる側面がある。

「ゲームのいいところは、対戦ごとに内容が違うこと。変化のない生活は認知症のリスクを高めます」

脳を刺激するのは、変化の多い生活であり、社会交流だ。人と話すのも、趣味に没頭するのもいい。特に体と頭を同時に使う「デュアルタスク」は、脳を活性化するといわれており、楽器演奏、料理などの趣味は、楽しみながら予防できる。