Q.13:虫歯だと認知症になりやすい?
「歯が少ないとなりやすいという説がある」
70歳以上の高齢者を対象に調査したところ、健康な人の歯の残存数は14.9本、対して認知症の人は9.4本だったという報告がある。これは本数の少なさが問題というよりも、咀嚼機能が衰えると脳への刺激が減り、認知症につながると考えられている。また歯周病に関する研究も進んでいる。
「歯周病菌が生み出す毒素や炎症性物質が、血液や唾液に混じって全身に回ると、糖尿病や動脈硬化の原因になり、認知症を引き起こしやすいと考えられます」
Q.14:100マス計算は認知症予防になる?
「効果は未知数」
「脳活」として推奨される「100マス計算」や「四字熟語パズル」。これらは認知症を予防するというエビデンスがなく、「認知症じゃないと、安心するための頭の体操としてはいいかもしれません」。
一方、米国で開発された脳トレ用コンピュータゲーム「ブレインHQ」は、認知症のリスクが約5割も低下すると実証され、話題を呼んでいる。ただし、「注意力、記憶力といった個別の認知機能が改善するだけなので、認知機能全体が向上するかは、検討が必要」。
朝田 隆
メモリークリニック お茶の水理事長
1955年生まれ。東京医科歯科大学神経科、国立精神・神経センター武蔵病院などを経て、2001年、筑波大学教授。14年、東京医科歯科大学特任教授、15年、筑波大学名誉教授に就任。アルツハイマー病を中心に、認知症の早期診断や予防に携わる。
メモリークリニック お茶の水理事長
1955年生まれ。東京医科歯科大学神経科、国立精神・神経センター武蔵病院などを経て、2001年、筑波大学教授。14年、東京医科歯科大学特任教授、15年、筑波大学名誉教授に就任。アルツハイマー病を中心に、認知症の早期診断や予防に携わる。
(写真=PIXTA)